刷毛
刷毛の基本的な使い方

皆さんは正しい刷毛(ハケ)の使い方を知っていますか?
どんなに良い刷毛でも、正しい使い方をしなければ刷毛本来の性能を発揮できません。
刷毛塗りはさまざまな形状の物に対応でき、簡単な養生で塗装ができます。また、塗料を無駄なく使うことができる塗装方法です。初めのうちはなかなかうまく塗れないことが多いですが、以下の基本的な使い方を参考にして綺麗に仕上げられるようにしていきましょう!
後れ毛について
新しく買った刷毛をそのまま塗料に含ませる…なんて事はしていませんか?新しい刷毛には接着剤でしっかり固定されていない毛(後れ毛)があるので、後れ毛を取らないと塗面に毛が付いてしまいます。刷毛を使う前に極力その毛を取り除きましょう。
後れ毛の取り方
1刷毛を回転させる
刷毛の柄を両手に挟んで、クルクル回転させると不要な毛が浮いてきます。
2 毛を揉む、しごく
毛をもんで、浮いてきた毛を良く取って下さい。
塗面に毛がついたら
もし塗面に毛がついてしまったら刷毛を縦に使い、毛先で撫でて取るようにしましょう。または、ヘラを使用して取るようにしましょう。爪先や指で取ろうとすると、塗装面に跡がついてしまう可能性があります。


刷毛の持ち方
刷毛は画像のようにペンと同じ持ち方をするのが一般的です。
柄を短く持ちすぎず、力を入れずに毛先で塗ります。


塗料の含ませ方
含ませ方手順
1刷毛に希釈剤を含ませます
獣毛の刷毛は人間と同じく毛にキューティクルがあるので、希釈剤を含ませることによって塗料含みが良くなります。
2希釈剤を拭き取ります
毛先を整えるようして、希釈剤を拭き取りましょう。
3塗料を含ませます
最近は固まりやすい塗料が多い為、刷毛の根本までしっかりと塗料を含ませながら作業をすると固まりにくく、刷毛本来の性能を活かして塗る事ができます。
4含みを調節します
容器の縁を使って塗料をきり、適度な含みになるよう調節しましょう。
5捨て塗りをします
塗料を含ませたら、紙や木材などに「捨て塗り」をしましょう。取り切れなかった後れ毛を取り除くことが出来ます。また、刷毛に塗料が馴染みます。
注意点
塗料を含ませすぎた場合や、塗装時に力を入れすぎた場合、塗料ダレが起こる可能性があります。また、含みが少な過ぎても作業性が悪くなるので注意しましょう。

根元まで含んでいる

根本まで含んでいない
塗り方

刷毛を寝かさないように意識して塗りましょう!
上の写真のように、トジ線を塗面に対して平行の状態で塗ることで、刷目(毛のすじ)が出にくく、綺麗に塗ることが出来ます。
ポイント

刷毛は塗面を綺麗に仕上げる為に工夫された構造になっております。この構造を上手く使うことで綺麗に仕上げることが出来ます。
赤マルで囲まれている部分は「配り刷毛」と言います。毛の量が多く、含み量が多い為、塗料を配る役割があります。
青マルで囲まれている部分は「均し刷毛」と言います。配り刷毛で配った塗料を均していく役割があります。
配り刷毛で塗面に塗料を配り、塗料を重ねた部分を均し刷毛で仕上げながら塗り進めると綺麗に仕上げられます。
刷毛を塗る方向に配り刷毛が向くように塗りましょう。
塗り方の手順(一例)

1①を塗装します
2①の左端の線に三分の一ほど重ねて②を塗装します
3残りの塗装面も同様に塗り進めます
使う上での注意点
使用前
使用前に塗料の希釈剤(水・シンナー)に浸してから使用すると刷毛の根本が固まりにくくなります。
使用中
そのまま空気中に放置すると、短時間でも刷毛が固まる恐れがある為、使用しない時は必ず塗料や希釈剤に浸漬させておきましょう。
使用後
根本まで洗って毛をウエスなどで巻いて形を整え、陰干ししましょう。